2024年11月1日(金)~11月10日(日)
霜月。心が澄んでくる。
冬隣。立冬を目前にして、冬がすぐそこまで来ていることを表す美しい日本の言葉だナーと感じています。が、私が初めてこの言葉に接したのは、ちあきなおみさんの歌からでした。だからなのか、11月になり、冬隣を聞くと切なさ、哀しさが染み込んできます。
>> PM4 : 00 テラス <<
危うさのなかに美しさを感じる。
❝重心を体の一方へ移動させる。そのカタチのまま動きを止める。このポーズには日常の暮らしのなかでは、なかなかお目にかからない。人の動きの少ない美術館のある絵の前、スタンドバーで一杯目を注文された後の「さてと・・・」の時間。やっかいな打ち合わせでもあったのだろうか、席をはずされて夕暮れに渡る鳥の群れを見ているお方。うまく心が通じたとみえて、安堵の空気が伝わってくる。きれいな足首に華奢なヒール。そういえば、ミロのビーナスも片重心だナと、思い出した。❞
2024年11月11日(月)~11月20日(水)
組み合わせる。新しい価値が見つかる。
紅葉狩りに行きませんかのお誘いがとびかっています。錦の帯を敷きつめたあの風景にも心が動きますが、裏通りの路上に散った一枚の赤い木の葉にも心を惹かれます。11月10日、高倉健さんの命日だったせいかもと思う。もう10年になる。
>> PM 9 : 00 ゲストルーム <<
崩したい・・は、前向きだから。
❝赤色を差し色に使うことが多い。それもオレンジ系に少し転がった、言ってみれば日本的な赤が好みのようだ。午前8時、雨上がりの午後、陽を受けていない植え込みの横にゴロンと転がっているコーン。そこに斜光が差し込み赤く光っていると心が躍る。普段は黒系で服をまとめているからか、時計のバンドには安っぽい赤をさしてみたくなる。と、そんなあなたとの偶然の集いだから、私も足元を赤くしてみたんだけど・・・と、おっしゃった。赤って難しいんですよネ。スパイスにもなるし、劇薬にもなるし。❞
2024年11月21日(木)~11月30日(土)
現実に起きていることが、すべて。
秋も深まり、冬が顔を見せはじめる時季になりました。背筋をのばし、立ち居振る舞いや心構えを見直すには絶好の季節がやってきたようです。人は見た目が9割という論もあるようですが、大袈裟な言い方とも限らないようです。内なるものは外に、滲み出るのがニンゲンですから。
>> PM 6 : 00 レセプションルーム <<
場の空気を読む。たしなみのひとつ。
❝2ヶ月前、9/11の夜、ある方の誕生日のお祝いをした。今日はその方と、ボージョレ・ヌーボーの会にご一緒した。お互いの快気祝いの日でもある。9月11日にお互いに隠していたことがあった。「せっかくの誕生日だから・・・」と、私は左手薬指の剥離骨折を隠し、その方は左膝十字靭帯断裂の治療中を隠していた。「気がつかなかったでしょ・・・あの夜、私、左膝には固定器具をつけていたの・・・」。誕生日祝いの後、2軒も路地をさまよった記憶がある。「人生で大切なことはすべて酒場で学んだ」という名言があるが、私の場合には、あの方から教わっていることも多いようにも思う。もう20年以上のつき合いだから。❞
2024年11月のとあるある日
11月の微熱のある風景【 隠す 】
相手を大切にしたり、自分を守りたい、距離を保ちたい、優位に立ちたい、隠すには複雑な心理が働いている。ヒトとしての無意識に近い防衛テクニックでもあるし、心づかいでもある。
>> 11月のとあるある日。 <<
【 隠す 】もの・コトを人に見られないようにする。
❝その場の主題は何なのかを、わきまえることが大切だと思う。だから、時と場合によっては、自分の存在を消しても構わないし、意味のあるアイズチだけでも充分となる。わきまえた上での隠すは、おもいやりに通じる。
男の隠すは、弱いところを隠し、強く見せたがる虚栄本能。・・・とも言いきれない。
女の隠すは、強いのに隠し、弱く可憐に見せる常套手段・・・とも言いきれない。❞