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アンカー 1
Cacti
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2024年10月1日(火)~10月10日(木)

真っ白は、何にでも染まることができる。

スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋と人々の動きを促すような冠言葉を耳にする季節になってきましたが、この季節、頭の中を真っ白にしてみるのもいいものです。これからの紅葉便りとか美味しさ報告とかも、新鮮に聞こえてくること、うけおいです。

>> PM2 : 00 ガーデンテラス <<

秋のドラマは、突然、始まった。

❝ 「連泊のおかげかな・・・」って話しかけられた。もちろん連泊してこそ滞在することの楽しみを享受できることは信じてはいるが、次の言葉が欲しかったために視線だけを移動させた。何もしない、誰とも会話しない、好きな時に起きて今日、なりたい自分になってみる・・・。空想と妄想でおなかがいっぱいになり、時間が経つのを忘れてしまう。あの本のなかのあの女の人を演じてみたくなり、今、部屋から出てきたばかり・・・。こちらは二日目の午後、まずは一服のコーナーで、こんな会話が始まった。❞

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2024年10月11日(金)~10月20 日(日)

夕空晴れて、秋風吹き・・・ん?歌?

秋には夕焼けがよく似合うのは、まずは空気が澄んできて・・・という話はよく聞きますが、それ以上に、ヒトが自然に感じてしまう旅情のせいではないのでしょうか。その上、心地よい風が添えられれば、これはもう、旅からの招待状です。

>> PM 4 : 00 ゲストルーム <<

心の洗濯日和とも言えそうです。

❝ 紅葉狩りの話が出始める頃、私は一人で旅に出ます。夏の間中、痛めつけていた肌を、この一ヶ月でリニューアルし、その総点検の日でもあるのです。お肌の研修旅行といえば、それはそうに違いないのですが、なんといっても季節柄、ワインをいただきなるのがクセモノです。それに温泉で身体をほぐした後がいけません。身体の総点検の後は自分のご機嫌も総点検したくなるんですねと、あけっぴろげなお話をしてくださったお方。空気も澄んできて開放的になるのは季節のせいにしてしまいましょう。❞

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2024年10月21日(月)~10月31 日(木)

視線をあげれば、いわし雲。

山粧う、秋麗。夏の後ろ姿が見えなくなり、美しい言葉と会いたいなーと思っているうちに、いつの間にか、凛としたお方を想い出してしまう季節になってきました。空気も澄んできて遠くのものまで見渡せる気分です。あの角を曲がれば冬隣です。

>> PM : 3 : 00 図書室 <<

凛とした空気のなかで。

❝ あまりにも美しい姿勢で絵葉書を書かれていた女性、思わず視線をくぎづけにされました。外側には粗々しい外皮をまとい、内側からはゆで卵の殻を剥いたようなプルンとした表面。ホテル内に、それは立派な図書室があり、その花を持ちながら図書室に入った途端の出来事です。文字を書き連ねることは好きな部類に入るであろう私ですが、とてもあんなに美しい所作はとれません。あんな方からいただく絵葉書には、どんなことが書かれているのかを想像していたら、手元の花の名前を調べることを、つい忘れてしまったのも当然だなと、納得できました。❞

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2024年10月のとあるある日

10月の微熱のある風景【惑わす】

想像する力を鍛えたり、強靭な心をつくるために、惑わすという行為はあるのかもしれない。その行為のどこにも物理的な力は働いていなくて、すべて、心に対して何かの力が作用している。その作用を受けるごとに、心の翼は強くなる。

>> 10月のとあるある日 <<

【惑わす】よくない方向に引き入れる。だます。あざむく。

❝ ロビーの片隅で読み物に耽っている方に見受けられる一瞬。ページをめくるその刹那、かいま見える表情がある。おそらく、その読み物の中のシーンなり登場人物に、心を寄せられている間の無意識の出来事だからこそ、魅力的に映るものと思われる。

男の惑わすは、大人に見せておきながら、時として、少年の心をちらつかせる。

女の惑わすは、少女に見せておきながら、ふとしたときに、大人の香りを漂わせる。❞

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